2012年2月27日月曜日

熱海ツアー・熱海の文学



2月25日、うす曇、時々パラパラと雨の中、
「熱海の文学」をテーマとした熱海ツアーにでかけました。
※駅前、第一ビルは絶対入るべし!




熱海の名物一つ・路地 (裏路地)





リタリージャケット翻すは、ツアーコンダクターのOさん
熱海生まれ熱海育ちの生粋の熱海人です。
巧みな話術と膨大な知識に
我々憧憬の眼差したたえ後につきます。


ちなみにこのナギサと見える喫茶店は
コーヒー豆が手に入らなかった戦争中(大豆を炒ってコーヒーにしていた)
も本格的なコーヒーを出すお店だったといいます。
テラスから海が見える。
花火のころ行ってみたい。

店内に池があるという田園にも行って見たい。

古きよきころ、喫茶店は贅を尽くした造りのところが多かったとか。
店内に池は当たりまえ、
滝つぼに金魚が必死に泳いでいる喫茶店もあったらしい。


志賀直哉氏お気に入りだった洋食屋スコット
熱海人にとってはとても敷居の高いお店だそうで、
現在は多くの一般人が簡単にお店に入ってしまうので
そんなお店ではないんだぜ!
という気持ちになるらしいです。

私もうっかり入ってしまいそうになりましたが予約でいっぱい。
い、いつになったら入れるかしら。。。

同じ白樺派の武者小路実篤氏と・釜鶴ひもの店さん

谷崎潤一郎氏お気に入りの洋菓子屋・モンブラン
※モンブランは元洋食屋だったのが、
ホワイトクリームうまい→生クリームうまい→洋菓子
という谷崎お勧め順序で今のお店の形になったらしい。
行って見たい。

現代作家も集うカフェ・ド・シュマンさんなど
文学者・表現者と喫茶店・食事どころは
切っても切れない縁でしょう。

個人的に水木しげる先生の
お気に入りの喫茶店があるそうなので
そこにも行って見たい。


街をとつとつあるき、
糸川沿いにきました。
日本で一番早咲きの熱海桜
戦後訪れたスペインから送られたという記念の桜を
日本の桜と掛け合わせ、熱海の街に増やしました。
華やかに咲き誇ります。

桜の元には坪内逍遥氏の碑が。
シェイクスピアの初翻訳をした彼は
糸川沿いに3年居をかまえましたが、
その後は閑静な山の上にリッパな図書館つきの御殿を建てられ
亡くなるまで、住まわれたそうな。
双柿舎


真冬を知らざる常春あたみ  
真夏も涼しき秋の海辺の 
くすしきいで湯は世界に知られ 
万里のはてより千客いたる
わがこの熱海は世界の公園




という熱海町歌も逍遥作。
うーん、すばらしい!熱海そのもの!



急なのぼりの宮坂をあがりつつ色々なお話。
山形さんという方が市長だった頃、
吉川英治氏 横山大観氏 小林秀雄氏
らそうそうたるメンバーとお友達だったらしく、
熱海の街をひっくるめてテーマパーク化しようぜ!
と盛り上がったことがあったとか。。。
その頃の構想図が図書館にまだ残っているらしく
ぜひ拝んでみたいものです。
海からぐわーっとロープウェイとか・・・。

そのメンバーなら夢じゃなかったかも・・・
戦争がおこらなかったら。。。もしかして。。。

で、坂を上りきった後
来宮神社があります。
このトンネルの先。

来宮神社から海方面へ下る道なので宮坂。
大きなお祭りもあります。

この近くに鈴木光司氏の「リング」に登場する
いくつかの場所があるそうなので案内してもらいました。
読み込んでいれば、わかるそうな。
来宮駅からのシーンです。



これは廃墟
撮って良かったのかわかりません・・・
(あまりアップとかで見ないことを進めますぜ)

Oさんの思い出の場所へと向かう途中にありました。
Oさんが子供のころからこのままだそうで
クチ裂け女がでたとかでないとかで・・・

謎の火星の植物みたいな赤い花が縁に咲いてて
不気味さを増していました・・・
みたことないやつ



さてさて、色々右往左往しておりますが
今回のツアーテーマは「文学」

数々の文豪が愛した起雲閣へ

元は、実業家根津嘉一郎、
農商相・内田信也らの別邸として築かれ、
1947(昭和22年)には、旅館として生まれ変わる。

現在は 熱海市所有の観光施設 となっている。

和洋折衷どころではなく、
チャイナやイスラム文化・様式も感じ取られる
独特の雰囲気を併せ持つ
なんとも妙のセンス抜群なかっこいい建物です。

品よく佇む日本庭園も、
妄想お散歩にちょうど良いころあいです。


山本有三氏、
志賀直哉氏、
谷崎潤一郎氏、
太宰治氏、
船橋聖一氏
三島由紀夫氏
尾崎紅葉氏

など、宿泊客として名を連ねる面々がすごい・・・



 一 朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
 「あ」 と 幽 ( かす ) かな叫び声をお挙げになった。

なんていうシーンが思い浮かんでしまった
起雲閣の一室。

ちなみに太宰はここで(とういうか今は無き別館で)
人間失格を書いたそうです。




それにつけても熱海の街並みは
本当にぐっと来ます。
ほんとに日本?
自分が小説・脚本家とかが職業だったら
ネタ探しにしょっちゅう通うだろう・・・
いや、住むだろうな。。。

ツアースタート時、

「熱海関連の文豪といえば誰が出てくる?」
「え・・・坂口安吾とか?」
「始めに坂口安吾がでてくるのかっこいいね!」
といわれてちょっとうれしい・・・。

ちなみに坂口安吾が熱海大火について書いているこれ
読み応えあります。







「文学」というテーマにつけては
ほんとに軽いレポで申し訳ない。。。
何しろ私が文学に詳しくないので。
勉強します。



糸川沿いの
イタリanでみんなでご飯。
美味しかったし、いい雰囲気です。
サングリアうま・・・!


この日もまた、心は熱海に置き去りでした。


投稿・イニシャルA